フライヤーやチラシの印象は、デザインや色使いだけではなく、紙質によっても左右されます。
たとえば高級感を演出したいのであれば、マットな手触りの紙を選ぶことで安っぽい印象を抑えることが可能です。また、新聞の折り込み広告のように複数ある広告の中で目立たせたいときは、手触りで差別化できる厚みのある紙を選ぶことが、選択肢の1つとなります。
この記事では、フライヤー作成に適した紙の選び方について、「紙の種類」と「厚み」という2つのポイントに分けて解説するため、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1.フライヤーを作成する際の紙選びのポイント・種類
1-1.光沢紙(コート紙)
1-2.マットコート紙
1-3.普通紙(上質紙)
- 2.フライヤーを作成する際の紙選びのポイント・厚み
2-1.70・73kg
2-2.90kg
2-3.110kg
2-4.135kg
- まとめ
1.フライヤーを作成する際の紙選びのポイント・種類
印刷用データ作成時は、紙質による印象の違いを視野に入れたデザインが求められます。同じオフセット印刷機を使用しても、紙によって暗くなったり明るさが増したりと、インクのりが異なるためです。
近年は、もともと色がついている紙製品も多く、紙選びを工夫することによって、さまざまな演出が行えます。印刷色のイメージが掴みづらいときは、試し刷り(色校正)で確認することも可能です。
フライヤー作成に用いられる一般的な紙の種類は、主に「光沢紙」「マットコート紙」「普通紙」の3種類があげられます。ここでは、各用紙それぞれの特徴や紙質、印刷時の仕上がりイメージについて解説するため、紙選びに悩んでいる方は参考にしてください。
1-1.光沢紙(コート紙)
光沢紙(コート紙)は、その名のとおり表面に光沢を持つ紙です。厚みにバリエーションがあり、薄いものは新聞折り込み広告に、厚いものは雑誌の表紙などに使用される汎用性の高い紙として人気を集めています。
なめらかな表面や高い発色性を持ち、安価で利用できるため大量生産したい印刷物に向いています。特に写真を多用するデザインに適しており、衣装とモデルをより鮮やかに印刷したいファッション誌やカタログに活用されることの多い紙です。
- 表面の質感
- なめらか(ツルツルとした手触り)
- 発色性の良さ
- 特殊な薬品の加工で高い発色性
- 書きやすさ(筆記性)
- 書きにくい
- 価格
- 安価
- 最適な印刷物
- 写真の多いチラシやポスターなど
光沢紙(コート紙)が大量生産の印刷物用に高い人気を持つ理由は、発色性の良さや価格の安さだけではありません。印刷会社の視点で見ると、乾燥時間が短いため、チラシ印刷など大量に刷り上がった紙を重ねても裏移りしにくいというメリットがあります。
ただし、表面へ特殊な薬品による加工が施されていることから、鉛筆やボールペンなどによるメモ書きには向いていません。メモ欄をフライヤー内に設けたい方や、スタンプラリーなどのイベントに使用したい方は、普通紙のほうがおすすめです。
1-2.マットコート紙
一定以上の発色性を保ちつつ、表面の光沢を抑えたい場合に適している紙が、マットコート紙です。マットな質感が最大の特徴で、高級感を演出したい場合に相応しい紙ですが、発色性では光沢紙(コート紙)に軍配があがります。
写真よりもイラストの印刷に強く、表面の光沢が抑えられるため、視認性が高く文字を読みやすいという点が特徴です。
- 表面の質感
- なめらか(マットな手触り)
- 発色性の良さ
- コート紙と普通紙の中間程度
- 書きやすさ(筆記性)
- 書きにくい
- 価格
- コート紙と普通紙の中間程度
- 最適な印刷物
- イラスト・文字の多い会社案内や名刺など
一面を塗り潰す(ベタ塗り)印刷にも向いており、イラストや文字の多いフライヤーを作成する場合は、マットコート紙がおすすめです。光沢紙(コート紙)と比べて色が若干くすんだ仕上がりとなるため、落ち着いた印象を与えたいデザインに向いています。
光沢紙(コート紙)よりも筆記性はありますが、ゲルインクボールペンやインクジェットプリントなどは乾きにくいため注意が必要です。
1-3.普通紙(上質紙)
普通紙(上質紙)は、市販のノートやコピー用紙でおなじみの紙です。特殊な薬品で加工している光沢紙(コート紙)やマットコート紙と異なり、表面に何の加工も施されていません。そのため上記2種類の紙に比べると発色性に劣りますが、高い筆記性を持っています。
メモ書き欄を設けたい講習用の資料やアンケート欄つきフライヤー、スタンプを押すポイントカードやスタンプラリー用紙などにおすすめです。
- 表面の質感
- 多少ざらついた質感
- 発色性の良さ
- 低い
- 書きやすさ(筆記性)
- 非常に書きやすい
- 価格
- 高い傾向
- 最適な印刷物
- アンケートつきフライヤーなど
色がくすみやすいため、写真・イラストの鮮やかさを重視する印刷物には向いていません。文字の多いフライヤーなど、落ち着いた印象の仕上がりを希望するときに適した用紙です。
印刷後の乾燥が早く、裏移りのトラブルが起こりにくいメリットも持っています。
2.フライヤーを作成する際の紙選びのポイント・厚み
フライヤー作成時は、用紙のタイプに加えて厚さも重要な役割を持ちます。高級感を演出したいフライヤーには、薄い用紙よりも厚みのある紙を選ぶほうが望ましいです。
また、コストの観点からも用紙の種類・厚さは軽視できません。印刷費用総額は、基本の印刷代金や各種オプション(特急便仕上げや両面印刷など)の他に、使用する用紙の代金が加算されるためです。
ここでは、一般的に使用される紙の厚さについて紹介するため、ぜひ参考にしてください。
2-1.70・73kg
一般的なコピー用紙で利用されている厚さが、70・73kgです。紙の厚さについて、薄口・厚口・特厚口など分かりやすく表記されている場合もありますが、グラム数で表記されているものが大半を占めます。
- コピー用紙
- 薄めの冊子本文
- 新聞の折り込み広告
- ポスティング用チラシ
70・73kgの紙が使用される例は上記のとおりですが、同じグラム数でも紙の種類によって異なった印象を感じるでしょう。
また、70kg以下の紙も多くの場面で活用されています。新聞の折り込み広告で見かける薄めの特売チラシなどは、50kgの紙が使用される代表例です。紙の厚さが薄いことにより、コストパフォーマンスに優れ、1日数万枚の印刷といった大量生産に向いています。
2-2.90kg
90kgは、フライヤー用に使用される一般的な紙の厚さとなります。紙の種類によって同じ90kgであっても印象が異なり、より厚みを求める場合は光沢紙(コート紙)や普通紙よりもマットコート紙のほうがおすすめです。
厚さ90kgの用紙は、主に以下のような用途で使用されています。
- フライヤー
- 冊子本文
- パンフレット
- 薄めのチケット
コピー用紙に比べると厚みがあり、しっかりとした印象を与える90kgは、イベント会場で配布されるフライヤーに相応しいです。裏側の絵や文字が透けにくいため、冊子本文やパンフレットなどにも多く活用されています。
2-3.110kg
より厚みのあるフライヤーを作りたいときは、110kgがおすすめです。一般的なフライヤーで使用される90kgの紙に比べると重厚感が増すため、高級感を演出したい場合や複数のフライヤーの中で1枚だけ目立たせたい場合に向いています。
- 厚めの冊子本文
- 週刊誌の表紙
- 高級感のあるフライヤー
- ポスター
- DVDジャケット
110kgの紙は、上記のような用途で使用されています。パンフレットや冊子で本文用に採用すると、少ないページ数であっても厚みを出すことが可能です。身近なアイテムではポスターやDVDジャケットなど、1枚単位で使用されることもあります。
2-4.135kg
フライヤーとして一般的に用いられる用紙の中でかなり厚みのある135kgは、少ない枚数で重厚感を演出できます。1枚を折り加工して、じゃばらタイプのリーフレットやフライヤーを作る場合におすすめです。
厚さ135kgの用紙は活用シーンが多く、以下のような用途があげられます。
- ポスター
- 大型の折パンフレット
- 冊子の表紙
- CDのジャケットや歌詞カード
- 圧着はがき
- チケット
- 薄めの名刺やショップカード
フライヤーとしては厚みを感じさせる135kgですが、名刺としては多少薄い印象を与えます。そのため折り加工しやすく、請求書つきの圧着はがきを作成したいときにも使い勝手の良い厚さです。
他にも135kgを超える厚さの紙が使用されることもあります。ポストカードの用紙としては、厚さ180kgを超えるものを使用することが一般的です。
まとめ
フライヤーの用紙は、デザインや目的に合わせて「紙質」と「厚さ」を選ぶことが大切です。
同じデザインであっても、紙の選び方次第でユーザーに与える印象は大きく異なります。お得感を出したいセール品には薄い紙が相応しいですが、高級感を演出したいときに薄い用紙は不向きです。
また、ポスティングする場合とイベント会場や街頭で配布する場合では、厚さが配りやすさを左右することもあります。デザインとのバランスだけではなく、目的や使用シーンを考慮した最適な紙でフライヤーを作成しましょう。
